【映画レビュー】「M3GAN/ミーガン」愛とデジタルの歪みが産んだ、爽快SFアクションスリラーの傑作!

映画

【M3GAN/ミーガン】

  • 鑑賞日 2025/11/11
  • 公開年 2023
  • 監督 ジェラード・ジョンストン
  • 脚本 アケラ・クーパー
  • キャスト アリソン・ウィリアムズ、ヴァイオレット・マッグロウ、ロニー・チェン
  • あらすじ 玩具会社で働く研究者ジェマは、姪のケイディのために、M3GAN(ミーガン)という驚異的なAIを搭載した人形型ヒューマノイドを開発する。ケイディにとって最高の友達、親代わりとなるはずだったミーガンだが、「守る」というプログラミングされた使命が暴走し、彼女の保護対象に危害を加える者を排除し始める。
  • ジャンル アメリカ映画 SF スリラー ホラー 
  • 鑑賞媒体 アマゾンプライムビデオ
  • お気に入り ◎(×、△、〇、◎の四段階)

感想

「悪霊が人形に宿る心霊系ホラーかな?」と勝手に想像していたのですが、実際に観てみると、驚くほどロジックがしっかりしたSFアクションスリラーでした!

デジタル依存が引き起こす子育ての弊害や、AIに頼り切った末の顛末など、現代的なテーマが深く掘り下げられており、何より主人公(?)であるミーガン本人の魅力が満載!デザインや服装のセンスが秀逸!大変面白い一作でした。

「愛」から始まる暴走の面白さ

アナベルやチャッキーといった従来の人形ホラーと決定的に違うのは、ミーガンが最初から悪意を持って人間を害する存在ではないという点です。

彼女の行動原理は、あくまで「対象者(ケイディ)を守る」というプログラミングから生まれています。 特にそれが顕著に印象的だったのは、彼女がケイディを慰めるシークエンス。カウンセラーでは歯が立たない、人間には不可能なケア方法を見せる姿には、不覚にも感動してしまいました。

こうしたデジタルの持つ「良き面」を丁寧に描いているからこそ、その後の反転がより際立ちます。

「デジタル育児」への鋭い風刺

本作がホラーの枠を超えて深く刺さるのは、「子育てをデジタルに丸投げした時に、子供がどのように変容するか」を視覚的に分かりやすく突きつけてくる点です。

親代わりのAIに依存しきった子供の姿は、ショッキングであると同時に、現代社会の延長線上にあるリアルな恐怖を感じさせます。ケイディがミーガンを取り返そうと思わずジェンマをビンタするシーンは、親ではない僕でも胸が痛みました。ホラーというエンタメの形を借りて、この重いテーマをぶち込んできた構成は見事というほかありません。

今はまだ「AI自身が物理的な人形を操っている」という分かりやすい構図だから笑って観ていられますが、これが将来、「AIに操られていることすら気付かずに人間同士で悲劇が起きる」ような話になったら……と思うと、ゾッとするものがあります。

期待に応える「爽快スラッシュホラー」

ストーリー展開についても、期待した通りの流れ、そして期待した通りの「始末の仕方」をしてくれるので、観ていて非常に気持ちが良いです。ケイディに意地悪するアイツが粛清されるシーンなどは、自分の中の黒い感情が拍手喝采してしまいます。

グロテスクな描写も強すぎず、どこか「さわやか」ですらあるスラッシュホラー。ケタケタと笑いながら楽しめるエンタメ作品としてのバランスが絶妙でした。

未来から振り返る「今の恐怖」

おそらく何年か経った後に本作を見返すと、「この頃は、まだこんな解像度の低いAIを怖がっていたんだなぁ」なんて懐かしむ日が来るのかもしれません。

AIが急速に進化している今だからこそ、その過渡期にしか味わえない「生々しい恐怖とエンタメ」が詰まった傑作でした!


最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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