【アニメレビュー】「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ リヴァイバル上映」/40年の歴史という「祭」を、遠くから新規勢が眺めた結果…

アニメ

【機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ リヴァイバル上映】

  • 鑑賞日 2025/10/25
  • 公開年 2021
  • 監督 村瀬修功
  • 脚本 むとうやすゆき
  • キャスト 小野賢章(ハサウェイ・ノア)、上田麗奈(ギギ・アンダルシア)、諏訪部順一(ケネス・スレッグ)、斉藤壮馬(レーン・エイム)
  • あらすじ 第二次ネオ・ジオン戦争(シャアの反乱)から12年後のU.C.0105。腐敗した地球連邦政府に対し、反連邦組織「マフティー」が武力介入を開始する。リーダーの「マフティー・ナビーユ・エリン」の正体は、かつての英雄ブライト・ノアの息子、ハサウェイ・ノアだった。彼は謎の美少女ギギや連邦軍大佐ケネスとの出会いを経て、運命の戦いへと身を投じていく。
  • ジャンル 日本アニメ SF ドラマ アクション
  • 鑑賞媒体 映画館 
  • お気に入り △(×、△、〇、◎の四段階)

感想

『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』のリバイバル上映を観てきました。

正直な感想をひと言で言えば、「これは長年追い続けてきたファンへの最高のご褒美映画であり、僕のような新規がふらりと立ち寄るべき場所ではなかった」ということです。もちろん、いい意味での「お断り」感なのですが、そのあたりの心の葛藤を整理しておこうと思います。

「勉強」として観た僕には、まだ早すぎた

僕はガンダムという巨大なIPに対して、少し特殊な距離感にいます。 初代、Z、逆襲のシャアは一応履修済み。ですが、それはリアルタイムの熱狂ではなく「伝説のアニメを教養として勉強しておかねば」という義務感に近いものでした。

そんな浅瀬の知識で挑むには、今作が求める前提知識のハードルは想像以上に高かった。「当然、これは知っているよね?」という無言の了解のもとで進む物語に、気づけば置いてけぼりになっていたのです。

通常の映画なら、第1部として物語を噛み砕き、新規層を盛り上げて次に繋げる作りをしますが、今作は違います。「ハサウェイ・ノアとは何者か」を完璧に知っている前提で、彼の内面の葛藤を丁寧に描く。知識と思い入れが足りない僕には、彼に感情移入する隙間が見つけられなかったのが、正直なところです。

独特なセリフ回しも行間を読む必要があり、読解するための前提条件も圧倒的に足りなかったですね。

それでも圧倒された「映像」の説得力

ストーリーには疎外感を覚えましたが、映像技術はすごかったです。

  • 「重力」を感じるコックピット演出 :コックピット内を正面から捉え、背景がグリグリ動くシーンは最高に格好いい!バーニアの噴射と地平線の傾きが連動し、一拍遅れてフワッと浮き上がる没入感。まるでゲームをプレイしているような、あるいは本物の重機を操縦しているような説得力がありました。
  • 一般人視点の「恐怖」 モビルスーツ戦を足元の一般人視点から描くシークエンスは白眉でした。「ウルトラマンの足元では、きっとこういう惨劇が起きているんだろうな」という想像を、圧倒的なリアリティで映像化してくれた。これだけで一本の作品を作ってほしいと思うほどです。モビルスーツにとってはなんてことない火花も、一般人は即死する危険なもので、その辺の描写も興奮しました。
  • 澤野弘之さんの音楽と、ギギの色気: 澤野さんの音楽は相変わらずの格好よさで、なんだか実家に帰ってきたような安心感がありました。そして謎の少女・ギギ。キャラデザインだけでなく、仕草や画角の積み重ねで色気を表現する演出には脱帽です。

歴史の長いIPを追いかける難しさ

ガンダムは、僕にとってスター・ウォーズと同じような存在です。いつもどこかで大きな祭りが開かれているのは知っているけれど、輪の中に入れず遠くから眺めていて、楽しそうな皆が羨ましい…。リアルタイムで乗り損ねた悔しさと、今から参入するには熱量が足りない悲しさ、をいつも感じます。

極めつけは、僕はモビルスーツそのものにはあまり興味が無いのがタチが悪い。初代ガンダムを楽しめたのは、それが「少年が戦争に巻き込まれていく人間ドラマ」であり「人類が次のステージへ進むSF」という見方をしたからで、ロボットの格好良さではありませんでした。

なので、人間ドラマ部分は魅せられ、彼らの葛藤に感情移入するのですが、モビルスーツ戦になった途端退屈になるのが困ったところです。玩具会社の思惑を戦争ドラマとうまく落とし込んだその奇跡の様なバランスには本当に感嘆に値するのですが、やはりそもそもその形状であることの意味、という所に共感できないのです。

一度まったくバトルに発展しない、ガンダムを作る工場のアニメを作ってくれないかなぁ。あの触覚はこういう効果があって、人型にするのは既存兵器に比べてこういうメリットがあって、カラーリングはあえてこういう理由で派手にしてて、みたいなモビルスーツ形状の一から百までの合理性を落とし込んでくれたら、シリーズを夢中で観れるかもしれません。

次のチャレンジは「水星の魔女」へ

ハサウェイ第1部を観て、自分は場違いだったのかも、と寂しくなりましたが、それでもこの壮大なシリーズを楽しめるようになりたいという気持ちは変わりません。歴史の長いIPは参入できた方が絶対人生充実しますもん。

次は、新規でも入りやすいと評判の『水星の魔女』に挑戦してみようと思います。新規ならではの新しいガンダムの楽しみ方をこれからも模索してみたいと思います。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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