【アニメレビュー】「銀河特急 ミルキー☆サブウェイ 各駅停車劇場行き」/観る順番間違えたー‼

アニメ

【銀河特急 ミルキー☆サブウェイ 各駅停車劇場行き】

  • 鑑賞日 2026/02/06
  • 公開年 2026
  • 監督 亀山陽平
  • 脚本 亀山陽平
  • キャスト 寺澤百花(チハル)、永瀬アンナ(マキナ)、小松未可子(リョーコ)、金元寿子、小市眞琴、内山昂輝、山谷祥生、小野賢章
  • あらすじ 銀河道路交通法違反で逮捕された強化人間のチハルとサイボーグのマキナ。奉仕活動として惑星間走行列車「ミルキー☆サブウェイ」の清掃を命じられた二人は、同じく訳ありのメンバーたちと共に作業にあたる。しかし、簡単な任務だったはずが列車は突如暴走を開始。車内でパニックが起きる中、一行は銀河を巻き込む大事件へと巻き込まれていく。
  • ジャンル 日本アニメ SF コメディ
  • 鑑賞媒体 映画館 
  • お気に入り 映画版△ ショートアニメ版◎(×、△、〇、◎の四段階)

感想

SNSで話題を呼び、個人制作からテレビシリーズ、そして劇場版へと駆け上がった亀山陽平監督の『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ』。 レトロポップな色彩と、オフビートな会話劇が魅力の本作ですが、今回、その絶大な前評判の高さから、僕はあえて一切の情報を入れずに劇場へ足を運びました。しかし結論から言うと……「完全に観る順番を間違えた!」というのが正直な感想です。

「3分アニメ」を長尺にすることの難しさ

本作は全12話のショートアニメに新規パートを加えた構成ですが、元々3分という極限の短さで起承転結を最適化されたテンポを、無理やり映画の尺に繋げたことで、本来の良さが全てスポイルされてしまった印象を受けました。

ショートアニメの醍醐味は、あの「軽快な速度」「軽快なテンポ」、そして「軽快なオチ」にあると個人的には思ってて、3分の間に起承転結を詰め込み、次の話が始まるまでの「行間」を視聴者が勝手に補完するからこそドライブ感が生まれる。 それを一本の映画として繋いでしまうと、どうしても展開がだれてしまい、ぶつ切り感が拭えません。3分間では最高に盛り上がったであろうロボットバトルも、長尺の中では小さなイベントの一つに見えてしまう。初見でお金を払って劇場で挑むには、少々キツい構成でした。

キャラクターに宿る「血肉」とエモさ

キャラクターの魅力に関しては文句なしに半端ないです! ずっと彼らを観ていたいと思わせる、属性の付け方や可愛らしいモーションは実に見事でした。

特にサイボーグでありながら頻繁に鏡で髪型を直す仕草など、何気ない動きで「人間臭さ」を表現する演出がエモい。また、「誰が宇宙空間で酸素を必要とし、誰が必要としないのか」を説明台詞ではなく、絵だけで伝える手法にも唸らされました。

ちょうど今、ゲームの『サイバーパンク2077』を遊んでいることもあり、サイボーグが抱える切なさや「人間性とは何か」というテーマが自分の中で過敏になっていたので、この世界観はドストライクでした。カートとマックスの辛そうな過去、もっと深く知りたい……!

「音ハメ」がもたらす劇場体験の快感

音響と大画面で観るメリットを一番感じたのは、アクションシーンの音ハメシークエンスです。 これは最高に気持ちいい!3分アニメ用に作られたものとはいえ、あのカタルシスは映画館の環境に最適でした。次回はぜひ、最初から長尺用のプロットで、この音ハメ演出をクライマックスの盛り上がりに持ってきた構成で観てみたいです。

個人制作の天才が拓く、アニメの未来

新海誠さんや、『JUNK HEAD』の堀貴秀さんのように、一人ですべてを作り上げる天才がまた一人現れたことにゾクゾクします。 わずかな尺、少ない台詞と演出で、これだけの背景や舞台設定を伝えるセンス。3分という時間は、これほどまでに多くのことを描けるのかと感動いたしました。

「初見の感動を大切にしたい」と情報を遮断して挑んだのが、本作に関しては完全に逆効果になってしまい、褒めたいポイントがすべて「ショート動画版」としてのクオリティに集約されている作品でした。

ショートアニメを見てファンになった人が、大画面でもう一度彼らに会いたいと願うファンムービーとしては、これ以上ないご褒美でしょう。次はぜひ、最初から劇場映画として練られた物語で、彼らのこれからを深く観てみたい。それかまたショートアニメを制作してくれるのか、どちらにせよ、今後も亀山さんが作り上げる世界が滅茶苦茶楽しみです!


最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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