【映画レビュー】「劇場版 おいしい給食 炎の修学旅行」/大画面で判明した衝撃の「10分間」と、地産地消の深いテーマ

映画

【劇場版 おいしい給食 炎の修学旅行】

  • 鑑賞日 2025/10/26
  • 公開年 2025
  • 監督 綾部真弥
  • 脚本 永森裕二(企画・脚本)
  • キャスト 市原隼人、武田玲奈、田澤泰粋、栄信、片桐仁、いとうまい子、六平直政、高畑淳子、小堺一機
  • あらすじ 給食を愛してやまない中学校教師・甘利田幸男と、ライバル生徒・粒来ケンが、3年生の修学旅行で青森と岩手の東北地方へ旅に出る。学校を離れ、ご当地グルメ(せんべい汁、わんこそばなど)を堪能する甘利田に、ケンは大胆なアレンジ勝負を仕掛ける。さらに、かつての同僚である御園ひとみ先生との再会や、スパルタ指導教員との確執など、修学旅行先で波乱の予感が!?
  • ジャンル 日本映画 ドラマ コメディ 
  • 鑑賞媒体 映画館
  • お気に入り ◎(×、△、〇、◎の四段階)

感想

ついに公開された『劇場版 おいしい給食 炎の修学旅行』! テレビシリーズから追いかけているファンとして、スクリーンで観る甘利田先生の雄姿(?)は格別。大画面のおかげで、これまでは気付かなかった「初めて見えるディテール」もあり、発見の多い鑑賞となりました。

驚愕のタイムスケジュール:あの大奇行はわずか10分間の出来事だった

スクリーンで観て初めて気付いたのですが、甘利田先生の腕時計がハッキリ見えました。 給食開始が12時30分、そして食べ終わりが12時40分……!

あの、机を叩き、身悶え、ダンスのような狂喜乱舞を見せる「大奇行」は、実はたった10分間の出来事だったんですね。あの濃密すぎる時間を10分に凝縮していると思うと、甘利田先生の給食にかけるエネルギーの凄まじさを改めて思い知らされました。どんだけ普段のご飯がマズいのよ…(泣)

90年代の岩手、そして「20年後」への想い

今作の舞台は90年代の岩手。 彼らが大人になった20年後に起きた大災害、そこに思いを馳せたとき、「地元の食材を給食でおいしく食べる」というテーマが、ぐっと深いものとして迫ってきます。

郷土料理と給食、そして地域を支える「地産地消」。 子供たちの成長を願う栄養満点の献立が、地域の伝統的な味と結びついたとき、それはただの食事を超えて、故郷のアイデンティティそのものになります。この二つのテーマの相性の良さは、まさに至高の献立。90年代にその大切さを知った子供たちが、震災を乗り越えて今の岩手を支えている……そう考えると、コメディの枠を超えた感動が込み上げました。

ファンが夢見る未来

御園先生の再登場には、思わず心の中で快哉を叫びました。 歴代のヒロインがバトンを繋いでいく「寅さんシステム」をあえて採用しているのは、このシリーズの強固な武器ですね。

過去のヒロインたちが別の地で先生の噂を聞いていたり、ひょんなことから再会したり……。そんな点と点が繋がる瞬間が楽しみで仕方がありません。

物語を停滞させる「サザエさんシステム」で現状維持を続けるのは、シリーズものとしては一つの正攻法かもしれません。ですが子供たちは育っていくもの。甘利田先生の人生のステージも、どんどん先に進んでいってほしいと願っています。ヒロインたちとも「くっつきそうでくっつかない」を繰り返して延命するのも止めて頂きたい。甘利田先生が夫となり、父となった時、また食に関する考えや思想も変わるでしょうから、更なる深い物語が観たいです。

例えば……いつか甘利田先生がどなたかと結婚して、その式場に大きくなった神野君たちが教え子として駆けつける。そこでまた、披露宴の料理を使って「アレンジバトル」を繰り広げられたりしたら……想像しただけで泣いてしまいそうです(笑)

結果…おいしい給食最高‼

今作の根本的な矜持や、「給食道」としてのテーマに関しては、以前ドラマ版の記事で熱く語っています。よろしければ、ぜひそちらも併せて覗いてみてください。
【ドラマレビュー】「おいしい給食」コメディの裏側にある、食育のテーマ。

笑って、泣いて、驚いて、最後にはお腹と心が温かくなる。 これほどまでに純粋で熱い物語が、これからも続いていくことを一ファンとして、そして一人の給食愛好家として心から願っています!


最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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