「ガラス玉」
泡沫の走馬灯と共に、水底に沈んでいく心象風景を四片のイラストにしました。
バランス失くした 魚のように
僕はらせんを描く

水面に揺らめく キレイな月が
泳ぎ疲れた 肌を そっと 照らして

こぼれてゆく 吐息はガラス玉
たくさんの光り集め 舞い上がってく

words into the silence
(言葉は静けさの中へ…)
月は そっと 波を 揺らすけれど

イラストの解説/曲の感想
学生時代、カセットウォークマンを聞きながら通学していた訳ですが、前の曲が終わって大分長い沈黙に、あ~…もう電池切れちゃったか、とウォークマンをポケットから取り出そうとしたときに流れる、「ザザーン…ザザーン…」
「あっ!ガラス玉じゃがっ(広島弁)」
そこから引きずり込まれるhydeさんの内面世界。
思春期の剥きたてのゆで卵の様な感性に、見事に突き刺さったのでございます。
曲を僕なりに深堀っていきます。
冒頭の「らせんを・を・を・を…描く」、本来「ぐるぐると描く」「永遠に描く」の様に拍子が余る時は単語を入れたくなるようなモノですが、そこをあえて「を・を・を・を」と繰り返すのがまさに螺旋のよう。
続く「泳ぎ疲れた肌をそっと照らして」の段階では、kenちゃんの綺麗なアルペジオと共にさざ波が後ろに聞こえる。まだ水中には沈んではおらず、水面に映る月と一緒に漂っているのか。
静かに「チッチッチッ」と挿入される時計の針の音。時計も、彼の鼓動もまだ脈打っている。
(時計の音が入ることによって物語性が介入し、耽美さが増すという、ニクい演出ですねえ(早口))
「こぼれてゆく吐息はガラス玉 たくさんの光り集め舞い上がっていく」
ここはもうhydeさん節真骨頂!水面から沈む身体、水中で漏れる吐息が泡となって、水面に映る月の光を反射し、キラキラと舞い上がっていく。さながら走馬灯の様に。
「舞い上がっていく」のタイミングで挿入される「ドン…ドン…」というsakuraの静かで重いドラム。歌詞とは対照的に彼の身体はドラムの音と共に落ちて行っているのだろう。
この辺で時計の音も消えるのだ。
あぁ…いよいよ彼の命も終わり、「月はそっと波を ゆらす け れ ど…」
このまま静かなバラードが続くのだろうな…
…と思うじゃん⁉
ズッタアァァァァン‼
「とおぉめどぉなぁく なぁがぁれだぁしたぁぁ‼」
ドラムの「ズッタアァァァァン」を皮切りに、Aメロが嘘みたいな、音の広がりとhydeさんの声の高まり!それまで暗く静かだった海面が、前後左右に向かって一気に光が溢れ出すイメージ。
「とめどなく流れ出した 記憶は胸を締め付けて あのやさしさもあのときめきも持ってくよ」
死の淵でビッグバンの様に、今までの人生のあらゆる想いが溢れる!
その相乗効果として、メロディーはドンドン盛り上がっていくのです。
そのまま「words into the silence(言葉は静けさの中へ…)」静かに召されるのかと思いきや、「ズグズグズグズグズグ‼」kenちゃんご乱心!今までの綺麗な音色とは打って変わって、このタイミングでかき鳴らすそのフレーズは、それまで穏やかだった海中が突如荒れ、彼はきりもみ、またバランス失くした魚の様に螺旋を描き出すかのよう。
「もう僕はこれ以上泳げないから」
安寧に逝かせてくれない。彼は自死だったのかな、その罰なのかしら。
その状況を表すかの様にkenちゃんの高音ギターがまだ掻き鳴っている。
大股で天を仰ぎながらトリップしているkenちゃんが脳裏に浮かぶよ‼
そのボルテージが最高潮に達した時に叫ぶhydeさん。
「今また凍った雫の 波紋が指先まで 広がり」
あぁ、やはり彼を穏やかに逝かせてはくれないのか。指先にまで海底の凍えた零度が広がる。
メロディーの盛り上がりは頂点まで行き切った。ここからは沈んでいく彼の身体と共にまたAメロの静けさに戻るのだろう‥‥え⁉
ken節ナメんな!このままいてまえぇぇぇぇ‼
「あぁすこぉしずぅつとぉだぁえぇてくぅう‼‼」
脳汁ブシャアァァァァァ‼
更なる盛り上がりをぶち込んでくるラルクに通学バスの中で高校生の僕はガクガク震えた訳です。
そこからの旋律は、海底と水面がグルンと逆転したような不思議なイメージに。
暗いハズの海底が水面の様に光り出して、沈んでいるのに浮上していく様な、罪が許され天上に昇っていくような、そんな心象風景。
あれだけきりもみ、螺旋を描いていた彼の身体が、hydeさんの歌声と共に「真っ白な時に魅せられて」夢心地に近い陶酔感で浄化されていく。
(ライブの時にhydeさんがアレンジで「思い出せ↑な↑い↑」と上げて歌う所す~きぃ~♪」
まばゆい白い光の中で「消えて しまい」「そう」で全ての音は消えて、再びkenちゃんの静かなアルペジオに戻る。水中は冒頭の静けさを取り戻し、今までの光景が嘘の様。
「水面に揺らめくキレイな月が 泳ぎ疲れた肌を そっと照らし…」
再び聞こえる波の音と微かな風。彼は水面で漂っているのか、波打ち際に打ち上げられたのか。
どちらにせよ、時計の音はもうしない…
いやはや数ある楽曲の中でも、群を抜いて物語性と歌詞と旋律の調和が素晴らしい名曲中の名曲!もう、大好きです!
長文最後まで読んでいただきありがとうございましたm(__)m
また次回の四片の詩画集もお楽しみ下さい!
(コメント頂けますと嬉しすぎて、たくさんの光り集め舞い上がります♪)

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