【映画レビュー】「アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ」アバター3は『IMAX 3D』必須!?映像美が脚本をねじ伏せる、稀有な映像体験。

映画

【アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ】

  • 鑑賞日 2025/12/20
  • 公開年 2025
  • 監督 ジェームズ・キャメロン
  • 脚本 ジェームズ・キャメロン
  • キャスト サム・ワーシントン、ゾーイ・サルダナ、シガニー・ウィーバー、ウーナ・チャップリン、スティーヴン・ラング
  • あらすじ パンドラの森と海を守り抜いたジェイク・サリーと家族の前に、新たな脅威が現れる。それは、パンドラを憎み、人類と手を組んで復讐を企てる「アッシュ族(灰の部族)」のリーダー、ヴァランだった。ナヴィ同士の争い、そしてかつてない“炎の決戦”が幕を開ける。
  • ジャンル アメリカ映画 アクション アドベンチャー
  • 鑑賞媒体 映画館
  • お気に入り ◎

感想

アバター三作目。お気に入りマークがついておりますが、ちょっと注釈が付きます。
それは「IMAX3Dで観た場合のみ、その凄まじい映像は観る価値アリ!」という意味合いです。
映像と物語の評価を完全に分割してまでも、この映像美は観る価値があると思いました。

脚本の感想は後述するとして、映像に関して。
ここ10年ほど、CGの質量のない感じ、質感や光の当て方はどんどん美麗になっていくのに、実際そこにあるリアリティはどうしても感じられずにウンザリしておりました。思い返せば子供の頃、初めてジュラシックパークを観た時のあの感動!コンピューターグラフィックとは、なんという夢の技術なのか、と打ち震えたものです。そこから全盛期にかけて恐ろしい速度でブラッシュアップしていく映像革新は本当に幸せな日々でした。ただある一定ラインを越えた時に、「背景全CGはもういいよ…」とお腹一杯になってしまったのは、なんと人間の贅沢な事か、です。

ひるがえって今作はというと、んまぁ~すごい!正直1の映像はそこまで感動した記憶はないのですが、2の水の質感に続き、今作3の高低差のリアリティは物凄かったです。本当この映像を見に行くだけで価値があります。在りし日のCG全盛期を思い出すワクワク感でした。

専門的な知識はわかりませんが、一線を画しているのは3Dとオブジェクトの配置箇所でしょうか。3Dの効果は言わずもがな、今までの一つ一つの岩などをいかにリアルに作るか、の段階は卒業して、それをどの様に配置したらCGっぽさを無くせるか、実際の風景通りに作れば良いのではなく、CG背景たるにはどうすればよいか、長年のノウハウの粋を集めた、そんな段階に到達した様に思えました。今までの弾丸が目の前を横切っていく、飛び散ったガラスの破片がつかめそうに手前までくる、といったアトラクション的な使い捨ての3Dの使い方ではなく、ちゃんと物語の没入感を高める為にあえて使用する、飛び道具としての安直な3D表現にしなかったのは拍手喝采です。


まだまだ、眼鏡をかけると人物が浮き上がっていかにも3D感は出ますし、色彩は犠牲になり、フレームレートは落ちる状態ではありますが、これがどんどん改善されて次回はどの様なすごい映像を見せてくれるのか滅茶苦茶楽しみです!

脚本に関しては、ちょっとネタバレ注意です。

お話は驚くほど2と同じプロットでした。
敵が攻めてくる⇒家族の問題が起きる⇒一旦逃げる⇒総力戦⇒家族の問題が解決する。
最後に主人公とライバルが殴り合いのタイマンするところまで同じ。家族を人質に取られて奪還されるシークエンスまで同じ。逃げちゃだめだ!戦わないと居場所は守れないんだ、うおぉぉぉ、総力戦だあぁぁ!も全く同じ。

これだけ2のプロットを履修するのは物語の必然として採用されたとは到底思えません。実際物語はほとんど進行しておりませんので。序、破、破、急、といった印象です。
2と3はもともとセットで作られたのをむりやり分割したのか、来たる4が大本命で、その為の資金稼ぎとか技術力のテストに使ったのか、詳しくは調べてませんが何か大人の事情があったのでしょうか。物語だけを言えば、お気に入りマークがつくものではありませんでした。

ただ、灰の種族のヴァランは、めっちゃくちゃ格好いい!しなるようなセクシーさと凶悪さが見事ビジュアルに体現されていて、言動の一つ一つや所作の一つ一つがずっと見ていて惚れ惚れしていました。キャラクター造形のお見本としてものすごく勉強になりましたし、敵に魂を売った途端雑魚化するのも、愛人としてただの所有物になってしまうのも皮肉が効いていましたね。どうか次回はその高潔さを取り戻し、元のかっちょいいヴァランで再登場して欲しいです。

物語と映像が完全に相対評価として分かれる稀有な作品でした。映像の圧倒的な没入感をもって、見終わったあともあの家族の事が気になり、会えないのが寂しくなってしまった時点で、観た価値はあったということでしょう。

IMAX3Dで鑑賞していない場合は、このレビューは全く参考になりませんのであしからず(笑)


最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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