【ファンタスティック4:ファースト・ステップ】
- 鑑賞日 2025/08/08
- 公開年 2025
- 監督 マット・シャックマン
- 脚本 ジョシュ・フリードマン、ジェフ・カプラン、イアン・スプリンガー
- キャスト ペドロ・パスカル、ヴァネッサ・カービー、ジョセフ・クイン、エボン・モス=バクラック
- あらすじ 宇宙放射線によって特殊能力を手に入れた科学者たちが、スーパーヒーローチーム「ファンタスティック・フォー」を結成し、人類の未来をかけた戦いに挑む物語です。
- ジャンル アメリカ映画 アクション SF
- 鑑賞媒体 映画館
- お気に入り △(×、△、〇、◎の四段階)
感想
「ふぁん↑たっす↑てぃっく↑ふぉぉ↑♪」「ふぁん↑たっす↑てぃっく↑ふぉぉ↑♪」「ふぁん↑たっす↑てぃっく↑ふぉぉ↑♪」
原作もこれまでのシリーズも全く知らないのですが、予告編で流れるあのジングルの響きがとにかく気持ち良すぎて、それだけを目当てに劇場まで観に行ってしまいました。
あまりにしつこく繰り返しているものだから、一緒に暮らしている猫たちからも「アイツ、最近うるせぇな……」という冷ややかな視線を浴びておりますが、それくらいあのフレーズは中毒性抜群!
映画の内容はさておき、とにかくあの「ふぁん↑たっす↑てぃっく↑ふぉぉ↑♪」というジングルを大きな音響で浴びられただけで、ある種の手応えを感じてしまった僕がいます。
無味無臭な四人の「聖人」たち
僕のMCU歴については、一応『アベンジャーズ/エンドゲーム』までは一通り観ていて大変楽しみましたが、シリーズ全体の熱狂的なファンというわけではありません。
今作を観終えた率直な印象としては、先日公開された『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』を観た時と同じような感覚で、一つの映画として観た時に大絶賛するほどでもなければ、大ダサいわけでもない、なんとも言えない凡作といったところでしょうか。
原作やMCUの深い設定に精通しているわけではないので、あくまで純粋な一本の映画としての感想になりますが、全体を通して真っ先に思ったのは「無味無臭な四人だなぁ」ということでした。
特にスーに関しては、以前『ミッション:インポッシブル』シリーズ(MIC)で観た時に、「格好良い女性だな」という記憶が刻まれていたので、今回も彼女の活躍を楽しみにしていました。ただ、四人のビジュアル自体に個性がないわけではないのですが、それぞれの属性設定や人間描写の深掘りがほとんど見られず、四人ともが欠点のない聖人君子のように描かれているんです。
バックボーンが見えてこないので、映画が終わった後に彼らのセリフや動作がほとんど記憶に残っていない。アイアンマンのように、人間的な欠点だらけだからこそ愛おしくなるような泥臭さがなく、この四人を心から応援したいと思えるほど感情移入できなかったのは残念です。原作でもこういうキャラクター性なのかもしれませんが、もう少し人間味が欲しかったというのが本音ですね。
設定の制約とアクションの地味さ
劇中で興味深かったのは、宇宙で遠心力を利用して出産するシーケンスです。こういう見せ方は初めて観たかもしれませんし、映像的な面白さがありました。そもそも「妊婦を戦いに連れて行くのはいかがなものか」という根本的な疑問はあるでしょうけども。
最も肝心なアクションに関しても、期待していたよりは地味な印象を受けました。そもそも「ゴム人間」「岩人間」「サイコキネシス」「炎人間」という、一昔前に作られたコミックの設定縛りを今も使い続けなければならないのは、現代の映画制作としてはなかなか厳しいものがありそうです。
ゼロベースで脚本を作れるのであれば、四人のコンビネーションを活かしたもっと魅力的なアクションを構築できるのでしょうが、この古典的な属性の組み合わせで連携技を成立させるのは難易度が高いのでしょうね。今後マーベルのチームに参戦したとしても、おそらくはバックアップ要員としての立ち位置に落ち着きそうで寂しい。
解決の糸口と世界観への期待
物語のクライマックスで提示された「世界を見捨てるか、子供を差し出すか」という、非常に魅力的なトロッコ問題の行方にも注目していましたが、その解決方法が「演説」だったのは残念です。
個人的に、どの映画においても演説で問題を解決する流れは、脚本上の逃げではないかと思ってしまうんです。もっと説得力のある、物語の積み重ねの上にある解決策が見たかったと感じていますし、群衆の描き方もどこかステレオタイプで、とても単調に見えてしまいました。
また、最後に『Dr.スランプ』のターボくんよろしく、とんでもない覚醒を見せたあの子は、今後のパワーバランスが大丈夫なのかな(笑)
設定面でいえば、今作のウリでもあったはずのレトロフューチャーなアメリカをもっとじっくり見たかったという思いもあります。市井の人々の生活や街の風景など、独特な世界観に興味を惹かれたのですが、すぐに舞台が宇宙へ移ってしまったのは勿体なかったですね。「懐かしさ」という魅力をもっと街並みの描写などで堪能したかったです。
なかなか残念な鑑賞後感になってしまいましたが、唯一無二のユニットアクションシーンが今後どう進化していくのか、そして最終決戦へ向けてこのチームがどう絡んでいくのか、期待を込めて見守っていきたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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