ぱたや式 L’Arc-en-Ciel四片の詩画集:「fate」

L'Arc〜en〜Ciel

切ない程に君を想って、それなのに、今、狙いを定める。

凍る針葉樹の間を
深く駆け抜ける運命(さだめ)

望み 儚く抱き寄せ
燃える嵐の渦へ

今 しじまを切り裂き 今 奴らに降り立つ
今狙いを定めて 手をかける瞬間に

切ない程に 君を想って この腕が この胸が
凍えるほどに 震えるほどに 君だけを 君だけを
春が来れば 夜が明ければ あの空へ あの場所へ

何が愛なのか?
何が嘘なのか?
解らない
ただ 君だけが恋しい


イラストの解説/曲の感想

この「fate」はですねぇ、学生時代に僕をラルク沼に引きずり込んだ「いばらの涙」「forbidden lover」と並ぶ暗黒三部作の一つです。

これらの、hydeさんが作り出す中世を連想させる儚くて暗く重い世界観が本当に大好きで、様々な物語が脳裏を駆け巡ります。

軽くイラストの解説をいたしましょう。

一枚目:軍服を着た男女が「凍る 針葉樹の間を 深く駆け抜ける」。両者違う装備なので敵対関係の様です。男性の方は最新鋭の装備で女性の方はかなり時代を感じる装い。それらを見ても戦力の差は著しく、どうやら弾圧に近いのかもしれません。それなのに二人とも同じ様なマフラーをしております、何故なのでしょうか。それは「運命(さだめ)」の歌詞に関係しているのかもしれません。

このイントロの演奏がまぁ見事で、高音から始まるkenちゃんのギターが屹立する針葉樹と凍る冷たい世界を連想させ、teっちゃんの躍るベースが二人の惑いながらジグザグに駆け抜けるさまを思い浮かべさせます。そこにユッキーの「トゥラタタタ!トゥラタタタ‼」のあとに、低く重く始まるhydeさんの「こぉおるぅ~」ですよ、もう完璧!

二枚目:追いかける男性と逃げる女性のアップ。二人とも首から何やらネックレスが揺らいでいます。両方とも十字架を模していますが、流派が違うのでしょうか、形が違います。二人が争っているのは宗教戦争なのかもしれません。女性の十字架が上下逆さな事から、正典にあらず、男性からしたら邪教なのでしょう。「燃える嵐の渦へ」場面は展開していきます。

ここの、「望み儚く抱き寄せ」から挿入される、ギターの「キィィィン…」「キィィィン…」というピッキングが素晴らしくて、二人の緊張の糸が具現化したかの様な、寒々とした針葉樹の景色を見事音に込めているというか、演出として突出しております。

三枚目:男性の射程圏内に入ったのでしょう、「今しじまを切り裂き」銃を構え「今狙いを定めて」スコープに女性の背中を捉えます。なのに彼の顔の半分は涙し、鼻水を垂らし、唇から血を流すほどに噛み潰しています。撃ちたくないのでしょうか、殺したくないのでしょうか。だけども「止められなくて逃れられない」「幻想に操られ」悔恨しながらも「走り続ける」しかない。
スコープを覗いた側の顔は恐ろしく冷酷で唇も覚悟に結ばれています。そっち側のゴーグルが割れていることから、その攻撃が彼の最後の理性を吹き飛ばしたのかもしれません。
そして、「手をかける瞬間に」

ここのCメロが本当にドラマチックで鳥肌が立ちます。kenちゃんのギターソロが掻き鳴ってどんどん上昇していきます。それは狙いを定めた彼の覚悟の上昇なのか、後悔している葛藤の渦巻きなのか、それそれは見事な旋律です。ピアノも大変良い仕事をしてますね。hydeさんの四小節が歌われて、ついに手をかける瞬間が…で一瞬音が途切れ、ユッキーの「ズダララララ!ズダララララ‼」アサルトライフルの銃撃にも聞こえるドラミングからの大サビ‼そこから広がる世界と、切なすぎる歌詞が次です。

四枚目:目の前の人の命を奪おうと「手をかける瞬間に」hydeさんが紡いだ歌詞は「切ない程に君を想って」です。イラストでは、彼の脳裏に広がったのは暖かい木立の中でじゃれ合う幼いころの二人。お揃いのマフラーをして、「この腕が」銃を持っていなかった頃「この胸が」まだ信じる物が同じだった頃、袂を分かっても「君だけを 君だけを」想って「凍えるほどに 震えるほどに」大切で「春が来れば 夜が明ければ」またあの頃の様に「あの空で あの場所で」再び笑い合えると信じていた。「Faster than anyone(誰よりも速く)」「if I ran through the dark(暗闇を駆け抜けられたら)」自分にそれ位力があれば「本当に結ばれるのだろうか?」。これだけの想いがありながら、強大な信仰を前に、最後は疑問形になってしまうのですね。

この大サビの四連続の繰り返すメロディーは、楽器隊の盛り上がりとhydeさんの祈るような歌声に盛り上がりに盛り上がります。ここも激しさの中に光る繊細なピアノが本当に良い仕事をしております。まさに登場人物の「fate(運命)」が交差し収束していく見事な流れです。

五枚目:彼の人物は手をかけたのか、思い留まったのか。解釈は分かれる所ですが、「何が愛なのか?何が嘘なのか?解らない」とあるので、イラストでは引き金を引いた結末にいたしました。「ただ、君だけが恋しい」と悔恨しながら生きて行くのでしょうか。fateが示す、避けられない運命、宿命、神の摂理などを表したラストです。

いやぁ、この曲は本当に色々なテーマを内包していて、hydeさんの歌詞世界の耽美さを思う存分味わうことができます。あれほど切ない程に君を想ってたのに、争わなくてはいけない不条理、戦争の悲劇、人間の愚かさ、それらを5分42秒の短さで表現したモンスターバンドに感服!


長文最後まで読んでいただきありがとうございましたm(__)m
また次回の詩画集もお楽しみ下さい!
(コメント頂けますと嬉しすぎて、ただ、君だけが恋しくなります♪)


興味が湧きましたら是非是非聞いてみて下さい!
YoutubeMusic「fate

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