窓を開けて舞い込んだ一陣の風が、過去への記憶を呼び覚ます。そんな四片…
麗らかな 空に 誘われ

少し 窓を開けた 休日

頬づえをついた 私に 届く風は

次に 誰を 訪ねるのだろう

イラストの解説/曲の感想
シンプルに冒頭の四小節をそのままイラストにしました。
Xに投稿できるのが4枚までなので、ここで終わりましたが続きを描けるのならば、色々なストーリーを思い描ける歌ですね。
表層上は二人の恋模様を唄った歌詞となっておりますが、hydeさんが描く世界観を、僕は文脈通りにシンプルな恋模様として捉えることはあまり無くて。
メタファーとして反戦だったり、神の視点だったり、宇宙の神秘だったり、もっとマクロで壮大な心象風景を感じます。特にkenちゃんの旋律はその色が濃くなる傾向がありますね。
イントロから少し物悲しいギターから始まるも、「麗らかな空に誘われ 少し窓を開けた休日」と、大変爽やかで透明度の高いシークエンス。「ちゃらっちゃちゃ~ん♪」と曲間に入るジングルも、あぁ、とても気持ちの良さそうな休日、と心浮きだつ感じ。聴いてるこちらも、ちょいとオシャレに紅茶でも飲もうかしらん、と来たもんだ。
続く「頬杖をついた私に届く風は 次に誰を訪ねるのだろう」の歌詞は、その情景が見事に思い浮かぶ、美しすぎるhydeさんのセンスオブワンダー!
窓も全開ではなく少し開けただけ。その隙間から舞い込んだ一陣の風が、私の頬を撫でていく。
この風は次にどこの誰の元に舞い込むのだろう…
なんとも耽美で華麗で華奢で繊細な表現でしょうか。僕が俳句の夏井先生だったら、「才能アリ!」と一発特待生です!
そのあとも、たおやかなメロディーと共に進む穏やかな休日。
「退屈で手にした本から落ちたのは あの時から止まったままの笑顔」
「あなたといた 鮮やかな時間が蘇る」
色褪せた写真はかつての想い人でしょうか、なんと素敵な風のサプライズ♪
なんてポエミーに浸っていたら、急に変拍子に、曲調がガラッと変わります。
ともすれば不穏にも聞こえる旋律。
「行かないで そばにいてほしい」
「震えた声が この身体に響いて」
「息ができなくなる」
一見すると「勝手にしやがれ」ばりのカップルの痴話喧嘩に聞こえますが、hydeさんの切実な歌声と、激しい鼓動の様な急かすドラムに、僕はもっと鬼気迫る雰囲気を感じます。
「その涙に終わりは ないの」の部分に至っては、慟哭に近い歌い方です。
そこからkenちゃんのキリキリとした激しいギターソロが始まり、あたかも窓辺の人物が過去に翻弄され、もがき苦しんでいる様。
「あの長い夏の終わりに あなたはまるで 迷子の様な泣き顔で 私に…」
「EVANESCENT」「夏の憂鬱」「evergreen」「Wind of Gold」など、hydeさんの中で夏という季節は、喪失とセットの様です。
つづく「この部屋に おいて行かないで」「一人にしないで」の歌詞。
この窓辺の人物が発したのか、それとも発せられた言葉なのか。
どちらにせよ切実で、痛々しい言葉です。
「今もまだその声がこだましている」
「今もまだその声が」
「今もまだ」
「今も」
最後の最後の、音が切れる最後の時までhydeさんは繰り返します。
この深刻さに、窓辺の人物にとっての過去が、今は良き思い出、美しい過去、に昇華しているとはとても思えません。イントロとのギャップが本当にドラマティックな曲です。
そこで冒頭の「色々なストーリーを思い描ける歌ですね。」の感想に繋がるのですが、
もし四片のあとにこの物語を続けるとしたら、
・戦争に行った恋人をいつまでも待っている歌なのかな?
・親に捨てられた孤児の歌?
・産まれて来れなかった赤子を想う母親の歌?
・あるいは、この窓辺の人物自体が既に亡くなっている幽霊視点の歌?
・hydeさんが時折描く、アンネの物語かもしれない。
この様に無限に想像は膨らみます。
たった一曲、5分25秒に、これだけの余白を詰め込めるhydeさんの作詞能力、歌唱力、楽器隊の世界観の構築に、本当に脱帽です。
いつか続きを描いてみたいですね。
長文最後まで読んでいただきありがとうございましたm(__)m
また次回の四片の詩画集もお楽しみ下さい!
(コメント頂けますと嬉しすぎて、麗らかな空に誘われます♪)


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