【ミッション:インポッシブル/デッドレコニング】
- 鑑賞日 2025/05/24
- 公開年 2023
- 監督 クリストファー・マッカリー
- 脚本 クリストファー・マッカリー、エリック・ジェンドレセン
- キャスト トム・クルーズ、ヘイリー・アトウェル、ヴィング・レイムス、サイモン・ペッグ、レベッカ・ファーガソン
- あらすじ 全人類を脅かす危険な新兵器を巡り、イーサン・ハントとIMFチームが、彼らの過去を知る強大な敵と対峙し、命を懸けたミッションに挑む物語です。
- ジャンル アメリカ映画 アクション サスペンス
- 鑑賞媒体 Amazonプライムビデオ
- お気に入り △(×、△、〇、◎の四段階)
感想
今回の『ミッション:インポッシブル』はシリーズ初の前後編ということで、かなりの期待を持って劇場へ向かいました。結果として、正直なところを言えば、今作だけではまだノリきれなかった部分もあったというのが本音です。けれど、一つ一つのシークエンスに込められたトム・クルーズの執念には、やはり唯一無二の凄みを感じずにはいられませんでした。
現実に追いついたAIの恐怖とガジェット
冒頭の潜水艦のシークエンスは、AIという存在の無慈悲さを表現するのに最高の方法だったと思います。物語上必要不可欠なのはもちろんなのですけど、水中で無残に死んでいくという、人間なら躊躇してしまうような決断を、AIが一切の迷いなく実行する描写には背筋が凍りました。
この「AIがラスボス」という設定、僕は公開から少し経った2025年の視点で見ましたが、今となっては全く違和感のない、恐ろしいほどのリアリティがありますね。脚本家の先見の明には驚かされます。制作中からとんでもない速度で進化する分野ですから、公開時を予想して脚本を作るのは大変だったでしょうけど、今の時代にドンピシャの内容になっていました。2026年以降はさらに加速度的に進化するでしょうから、これからの脚本制作はますます難易度が上がりそうですね。
また、シリーズ名物の「顔面べりべり」な変装マスクも、少し前までは完全なフィクションでしたけど、今では僕ら一般人のレベルまで似たような技術が降りてきているのが、こわおもろいところです。現実が映画に追いついてきているのを実感して、少し不思議な気持ちになります。
役者魂と「身体を張っていること」へのジレンマ
今回、一番推されていたバイクでのジャンプシーン。トムさんが実際に身体を張っているのは本当にすごいですし、心から尊敬します。ただ、CMで見せすぎなせいで、既視感がすごかったのは少し勿体なかったかもしれません。
僕は「身体を張っていること」がそのまま映画の面白さに直結するとは限らないと思っている派なのですが、それでも目の当たりにすると、やはり圧倒されます。
これって面白いもので、もし「身体を張っているか」を知らない状態で観ても、同じ迫力を感じるのでしょうか。いつか「実際にスタントをした場面」と「CGでそれっぽく撮った場面」を見比べて、どう感じるか格付けチェックをしてみたいですね。だからこそ、プロモーションであれほど「実写であること」を強調する必要があるのでしょうけど、トムさんが危険なことをすればするほどこちらが喜ぶという図式は、まるでコロッセオの闘技場を見ているようで、少し複雑な気分にもなりました。
一方で、カーチェイスは素晴らしかったです。僕は本来、物語が停滞するカーチェイスはあまり好きではないのですけど、今回の運転手が二転三転してコントのように入れ替わる展開は、観ていてとても楽しめました。
「すごろく」のような物語の行方
物語を楽しめなかった理由をあえて挙げるなら、事件がチャプター分けされすぎている点かもしれません。「A事件が起きて、到着して、バタバタする。次はB事件が起きて……」という、すごろくをしているようなプロットが、少し退屈に感じてしまったんです。
一つ一つのアクションは凄まじいのに、物語のドライブ感に乗りきれないから、せっかくのスタントも少しスポイルされてしまっている印象を受けました。
名物の「トムさんダッシュ」にしても、走る目的に今ひとつ共感できていないので、今作ではあまり燃えませんでした。アクションを物語と有機的に繋げることの難しさを、改めて再確認したような気がします。
それでも、今作を地味だと感じさせるほど、後編への信頼に全ベットしているのだとしたら、その賭けはとんでもないものだと思います。このフラストレーションを、来る後編ですべてぶっ壊してくれるのではないか、という期待を抱かずにはいられません。
「壮大な布石」への期待
振り返ってみれば、今作はどこまでも「壮大な布石」に徹していたのだと感じます。トムさんのアクションがまずありきで、それに合わせて脚本を作るという、このシリーズ独特のアセット。
その熱量を映画館でリアルタイムに体感できなかった時点で、僕が四の五の言うのはお門違いなのかもしれません。完結編を観た時に、この「すごろく」のような道のりが、一体どんな景色に繋がっているのか、楽しみに待たせて頂きます!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
皆さんの感想も、ぜひお聞かせください!


コメント