【アニメレビュー】「野生の島のロズ」身体中の水分を持っていかれました、号泣必死の大名作!

アニメ

【野生の島のロズ】

  • 鑑賞日 2025/02/13
  • 公開年 2025
  • 監督 クリス・サンダース
  • 脚本 クリス・サンダース
  • キャスト 綾瀬はるか(ロズ)、柄本佑(チャッカリ)、鈴木福(キラリ)、いとうまい子(ピンクシッポ)
  • あらすじ 無人島に漂着した最新型アシスト・ロボットのロズが、動物たちと心を通わせ、母となり、仲間となっていく。しかし、島に回収ロボットがやってきたことで、ロズは動物たちとの絆を守るために立ち上がることになる。
  • ジャンル アメリカアニメ アクション ドラマ ファンタジー
  • 鑑賞媒体 映画館 IMAX
  • お気に入り ◎

感想

「休戦して下さい、ここでだけは。」

美しい…ただひたすらに美しくて、劇場で嗚咽が漏れないように耐えるのが大変でした。

脚本、背景美術、構図、音楽、アクション、そして底流にあるテーマ性。 その全てが桁違い。 あの名作『ヒックとドラゴン』に匹敵する大傑作が誕生してしまいました。恐るべしドリームワークス。恐るべしクリス・サンダース監督。とんでもない作品です。エンターテインメントとは何たるか、脳天をぶん殴られましたね。

初回は吹き替え版を観たのですが、あまりの感動にどうしても字幕版も観たくてIMAXで二回目の鑑賞をしてきました。 何より驚くべきは、我が家の倹約家の妻が「同じ映画を劇場で二回観る」なんていう大事件を起こしたこと(笑)。 それくらい、理屈を超えて心を揺さぶるパワーがこの映画にはあったのです。

物語の舞台は、無人島に漂着した最新鋭ロボット・ロズと、島の動物たちの交流。 一見すると「ロボットと自然のファンタジー」ですが、背景には骨太なSF設定が見え隠れします。

島の外がどうなっているのか、明確な説明台詞はありません。 しかし、水没した都市や、崩れかけた巨大な橋の下を悠然と泳ぐクジラの姿が、静かに人類の黄昏を物語っています。その終末世界の描写が、残酷なほどに美しい。

動物たちが、火を起こせるようになったり、他者に物語を読み聞かせるようになったり、 これらは単なるディズニー的なファンタジー表現(擬人化)ではなく、「滅びゆく人類の次世代を生きる生命群への進化」を示唆しているようにも見えます。 彼らがメタとは違う、ある一線を超える描写に、ハードなSF考察も捗りました。

動物モノの創作物において、「誰が生き、誰が食されるか」「誰が知能を持ち、誰が持たないか」という線引きは、制作側の都合による欺瞞になりがちです。 今作もその危険性を孕んでいますが、圧倒的なビジュアルと心震える音楽が、そんな理屈を力業でねじ伏せてきます。

そしてそれは弱肉強食をファンタジー化した逃げではなく、この先の続編で、ロズや動物たちの進化(ロジック)と共に、その業についても深く描かれそうな予感がします。もし次回作で、動物達の擬人化を「そういうものとして観てね」で終わらさず、ちゃんとしたSF的裏付けをもってきたとしたら、もうとんでもない名作が生まれてしまいますね。あの島において、死がしっかりと隣り合わせで描かれていたことから、その期待をしてもよさそうです。

親になる為の物語、子が親から巣立つ物語、他者とは違う要素を受け入れる物語、自分と違う種族と共存する物語、そういった不変と、生き残るためにプログラムを越える物語、といった可変も描くとんでもない名作です。

この色彩と音楽とアクションを、映画館の大画面で浴びることができたのは、本当に幸せな体験でした。2025年のベスト級どころか、僕の人生においてもかなりの上位に入る一本です。 とりあえず、原作小説を読んでみようと思います。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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