【極悪女王】
- 鑑賞日 2025/04/24
- 公開年 2024
- 監督 白石和彌
- 脚本 鈴木おさむ
- キャスト ゆりやんレトリィバァ、剛力彩芽、唐田えりか、村上淳、
- あらすじ 伝説的な悪役女子プロレスラー、ダンプ松本の半生を描いたドラマです。ごく普通の少女が、プロレスの世界に足を踏み入れ、壮絶な特訓を経て「極悪女王」として悪役のトップに君臨するまでの物語です。
- ジャンル 日本ドラマ ドラマ 伝記
- 鑑賞媒体 NETFLIX
- お気に入り 〇(×、△、〇、◎の四段階)
感想
ゆりあんレトリィバァさんは、その昔「ロケみつ」という深夜番組で初めて拝見して、忍者はっとり君の姿をした彼女に大いに笑わせてもらった記憶があります。それから月日が流れ、今や賞レースも総なめにして、今回のような大きな作品の主役も張れるなんて、本当にすごい人になられたと感慨深いです。
相撲ドラマの「サンクチュアリ -聖域-」もそうでしたが、自分の全く知らない世界を覗き見ることができるのは本当に楽しい!
脚本と演出が映し出す圧倒的な熱量
ドラマ全体としては結構ドラマチック寄りに描かれていますが、試合シーンはまさに圧巻の一言に尽きます。脚本は鈴木おさむさんが担当されていて、彼が生来持っている軽快さや見やすさが存分に出ていました。大まかな部分はそのテイストが正解だと感じましたが、一方でシリアスなシーンは少し漫画的すぎて、それがノイズになってしまっていた印象も受けました。
僕は一度だけプロレスを生で見たことがありますが、バチーンという打撃の音が遠い客席まで響いてきて、大迫力だったことを覚えています。
実はこの作品を鑑賞する前に、たまたまバラエティ番組の「相席食堂」にダンプ松本さんが出演されているのを見ました。そこでのダンプさんは物凄く朗らかで可愛らしい人だったので、このドラマで描かれる過去の変遷を目の当たりにして、とても切ない気持ちになりましたね。
ゆりあんレトリィバァという役者の酷似性
主演を務めたゆりあんさんの素の雰囲気というか、話し方や佇まい、そして声の質がダンプさんと驚くほど似ています。もちろん熱心に演技をされている結果だとは思いますが、その酷似性には「配役が完璧すぎる」と感じました。ゆりあんさんがお笑いに対して持っているストイックさも、テレビを通じて見て取れるので、その姿勢が今回の役柄にも良い影響を与えていて素晴らしかったです。
また、試合中だけでなくプライベートでも悪役レスラーを演じ続けていたという事実は、大きな衝撃でした。四六時中「ダンプ松本」というキャラクターでいなければいけない負担と心労は、一体いかほどのものだったでしょうか。
そのまま心の病になってしまってもおかしくない状況だったと推察しますし、これを見て、映画「ハリー・ポッター」シリーズでマルフォイ役を演じたトム・フェルトンさんが、後にアルコール依存症になったというエピソードを思い出してしまった。
「ブック」の開示と制作陣の気概
僕のようなプロレス素人がファンの方に対して口にすると一番逆鱗に触れる要素である試合の形式を、あえて「ブック」として明確に描いたのはすごかったです。
単なるファン向けの映画ではなく、プロレスに全く興味のない層に対しても、その裏側をしっかり見せるという制作陣の強い気概を感じましたし、このあたりの作り込みはさすがNetflix。その感覚は、逃げずに影の部分もちゃんと描いた、映画「ボヘミアン・ラプソディ」を観た時に似ていました。
プロレスの概念が根底から変わった瞬間
実際、そのブックの存在を露呈させたとしても、その後の試合の壮絶さに変わりはありません。痛みに耐え忍ぶ姿の美しさは凄まじいものでした。
どうしても僕たち素人は、「プロレス」という単語をオリンピックのレスリングと同様のものとして捉えてしまい、勝ち負けこそが全てだと思ってしまいがちです。そのため、八百長や台本といった言葉に敏感に反応してしまいますが、プロレスの本質的な魅力というのはそこではないのだと、このドラマを通じて初めて肌感覚で理解できました。これは僕の人生においても非常に貴重な気付きでしたし、本当に見て良かったです。
相撲やプロレス、果ては地面師など、様々な業界を高クオリティなドラマで見せてくれるネトフリは物凄く人生に色どりを与えてくれます。次はどんな題材を扱ってくれるのか楽しみにしております!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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上映後ロビー