【映画レビュー】「プロジェクト・サイレンス」/ゲーム的構成が光る、手堅い佳作

映画

【プロジェクト・サイレンス】

  • 鑑賞日 2025/03/06
  • 公開年 2025
  • 監督 キム・テゴン
  • 脚本 キム・テゴン、パク・ジュスク、キム・ヨンファ
  • キャスト イ・ソンギュン、チュ・ジフン、キム・ヒウォン、ムン・ソングン
  • あらすじ 深い霧に覆われた空港大橋で大規模な玉突き事故が発生。さらに橋が崩壊し、人々が取り残される。そんな最悪の状況の中、国家機密計画によって生み出された軍事実験体「エコー」が脱走し、人々を襲い始める。生き残りをかけて脱出を試みる人々の姿を描いたパニック・サスペンスです。
  • ジャンル 韓国映画 アクション サスペンス パニック
  • 鑑賞媒体 映画館
  • お気に入り 〇(×、△、〇、◎の四段階)

感想

韓国映画の脚本というのは、本当に組み立てが面白いと感じます。「絵本を手に入れたからA地点で使える」「ゴルファーを仲間にしたからBのイベントで役に立つ」といったように、ゲームのようなすごろく的な構成が気持ち良い。

今作もその例に漏れず、非常に分かりやすい作りでした。全体的にもう3ひねりくらい欲しかったところですが、十分に楽しめる「佳作」と言える仕上がりでした。

爽快な構成と惜しい舞台装置

武器として何を用意したら面白いかという構想から、ゴルフドライバーという流れで設定が組まれたりしてはいるのですが、そのゴルファーという要素が物語にうまく絡みきっていなかったなど、全体的な要素が少し都合の良い舞台装置になってしまった感は否めません。とはいえ、韓国映画特有の脚本の妙は健在で、ストーリーの運び自体はスムーズでした。

この手の映画で僕ががっかりしてしまうのが、特殊部隊が無能なパターンです。今作も残念ながらその例に漏れず、彼らが弱すぎです。個人的には、めちゃくちゃプロフェッショナルで強い部隊が、それでもなお手も足も出ずにやられてしまうという絶望感が好きなのです。

「あいつらで無理なら、もうどうしようもない」と思わせてくれる展開をいつも期待してしまいます。映画で言えば「シン・ゴジラ」の自衛隊、小説で言えば「荒神」の武士たち、といった感じで。

ワンちゃんたちの逆襲を応援する

物語の根底にある動物実験の描写は、犬好きとしてはあまりに可哀想すぎました。そのため、僕は終始ワンちゃん側を応援してしまった。登場人物が犬たちに襲われても、「イケイケ、やり返せ!」という気持ちで観ていたほどです。「お前らの怒りを愚鈍な人間どもに思い知らせてやるのだ」という、おそらく制作者もその意図で誘導していたと思われます。

韓国映画あるあるの過激なゴア表現やグロさは抑えられているので、多くの人が観られる一作になっています。個人的には描写の過激さに物足りなさを感じましたが、その分、デートムービーとしてはちょうど良い塩梅です。

娯楽作としての着地点

ラストには続きを予感させる描写もありましたが、それほど流行しなかった背景を考えると、続編の制作は難しいかもしれません。それでも、パニック映画としての基本はしっかりと押さえられていました。

ロジックに基づいたゲーム的な展開を楽しみつつ、何も考えずにスリルを味わうには最適な作品です。重すぎず、かといって軽すぎもしない、まさに「ちょうどよい」劇場体験でした。


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