【映画レビュー】「スター・ウォーズ マンダロリアン・アンド・グローグー」/よちよちよち、グローグ可愛いねぇ!あらあらまぁまぁお腹空いたの~?

映画

【スター・ウォーズ マンダロリアン・アンド・グローグー】

  • 鑑賞日 2026/05/27
  • 公開年 2026
  • 監督 ジョン・ファヴロー
  • 脚本 ジョン・ファヴロー、デイヴ・フィローニ、ノア・クロア
  • キャスト ペドロ・パスカル、シガニー・ウィーバー、ジェレミー・アレン・ホワイト
  • あらすじ ダース・ベイダーの死と銀河帝国の崩壊後、銀河にはいまだ残党たちがはびこり無法地帯と化していた。建国間もない新共和国は、帝国の復活を狙う新たな脅威や抵抗勢力から銀河を守るため、伝説の賞金稼ぎである“マンダロリアン”ことディン・ジャリンと、強いフォースを秘めた彼の小さな見習い(かつ教義により正式に親子となった)グローグーに助けを求める。二人は銀河の平和を揺るがす新たな戦争を防ぐため、さらなる危険な冒険へと身を投じていく。
  • ジャンル アメリカ映画 SF アクション アドベンチャー
  • 鑑賞媒体 映画館
  • お気に入り ◎(×、△、〇、◎の四段階)

感想

「スターウォーズ初見でも大丈夫!」という数々のポストを信じて、初見勢が観て参りました。予算をたっぷり使った超エンタメで最高だし、音楽がすこぶる良かったなど、語りたい事は多々あれど、とにかく…

よちよちよち!グローグかわちぃねぇ!!あらあらあらお腹空いたのぉー!一杯食べなねー!眠いのー?沢山寝な寝な!あらま、操縦もできちゃうの!?すごいねぇー、偉いねぇ〜!!えぇ!そんなことまでできるの⁉そんな立派になって、おーいおいおい(泣)

という、もう「グローグ可愛い!」の一強映画でした。一節によると、米国人が初めて「尊い」という感情を持ったとか、どうとか(笑)シーズン1だけは予習して挑んだのですが、あんなに小さかったグローグが映画では軽く声も出せるようになって、終いにはあんなに献身的にたくましく成長するなんて、お父さん泣いちゃう!!急ぎシーズン2、3を履修しなきゃです。

パペットがもたらす圧倒的な実存感

もうね、なんでもCGで仕上げたがるアメリカ映画の中で、グローグをパペットにこだわったのはマジで天才!!動きのぎこちなさが逆にものすごい実存性を作り出すのに成功してて、「ちゃんとそこにいる感」がとてつもないです。

イコールそれがグローグに対する「尊さ」に繋がります。思い返せば幼少期に「ET」や「グレムリン」のパペットで実存感に触れていたのでその懐かしさもあるのかな。でも今の子供たちにも、CGだけではなく、「実際にそこにあるもの」を見せるのは、とても意義のある事に思いました。

今のご時世いくらでもハイクオリティなCGでヌルヌル動くキャラを制作できただろうに、あえてアナログで作り上げた事に、心の底から拍手喝采です。

試練と別れを経て紡がれる成長物語

その実存感をもってして、描くのは一貫してグローグの成長物語。魅力的な仲間が次々と出てきては人気出そうなのに惜しげもなく解散させる。コンテンツ商売に振り切るならどんどん彼らを固定パーティーにしてマルチ展開させられるのに、それをしないのは、グローグのイニシエーションのためでしょうか。

彼らと出会い、学び、愛される事でグローグはライトサイドに育つし、何より1番大事なのは、別れをじくりと体験するという事。商売っ気を捨て、ちゃんと脚本優先に制作されたのは素晴らしいです。シーズン2,3では、どんな出会いと別れがあったのでしょう、今からワクワクします。

そして、もう想像するだけで涙腺が緩むのですが、最後のイニシエーションとして必ず訪れるであろうマンダロリアンとの別れ。そこには種族の寿命の差、という残酷な設定もあり、どのようなラストになるのか、今から胸が締め付けられます。

邪推すると、グローグは話し出すまでが可愛さのピークだと思うので、その寿命の差をうまく利用して、マンダロリアンが80のお爺ちゃんになっても、グローグはまだカタコトの年齢、という段階で別れにできるという、ニクイ采配ができるのではないか。ヨーダみたいにペラペラ話せる日が来るのでしょうが、そうなる前にエンディングを迎えて欲しいような欲しくないような…

「ディズニーのスターウォーズ」、という妙

今作秀逸なのが、グローグより更に小さい種族が出てくるということです。今までどの登場人物より常に小さかったグローグが、初めて対象物より大きくなるという設定。この両者の絡みも、彼の心の成長にとても重要な役割を果たしており、「身体は小さくてもエンジニアで超優秀」という能力の多様性をグローグに学ばせています。身体の小ささは特性であり、ハンデではないのだと。

さらには、スターウォーズの僕個人の勝手なイメージですけど、無骨な戦闘機とか政治劇などが出てくる硬質な印象だったのですが、今回グローグが夜の森で行動する際、一種幻想的なファンタジー世界の様様も映し出してて、あぁ、これはこれでディズニーにしか作れないスターウォーズって感じでアリだなぁ、と思いました。

初見でも圧倒されるビッグバジェットの映像体験

沢山の方がオススメしていたように、確かにグローグが最高に可愛い映画でした。ただ、それだけなのかというと、勿論そんな事はありません。

スターウォーズシリーズを未見なので、歴史や人物相関図などはわからないですが、その状態でも純粋なエンターテインメントとしてかなりの高水準です。しっかりと予算のかけた、アクションに次ぐアクション!これぞビッグバジェットだ!と言わんばかりの豪華なフルコースでお腹一杯です。

邦画で心揺さぶる作品に沢山出会ってきましたが、やはりこの分野に関しては、とんでもないクオリティをぶっ込んできますね。これだけの物量にものを言わせた超豪華な映像体験は、この国が唯一無二ですわ。最高の映画館デートムービーです。

メロディアスでエモい!ルドウィグ・ゴランソンの極上音楽

更には今作、グローグと同じくらい惹き込まれたのが音楽!全編音楽がとてつもなく素晴らしいです!

アメリカ映画のイメージは、BGM(バックグラウンドミュージック)というだけあって、物語の邪魔をしないよう、旋律無しで盛り上げる用の劇伴でした。それが今作は、そこかしこでメロディー重視のカッチョ良い音楽が流れて、それが物語を邪魔するどころか、大変にドラマチックにブーストしてくれるのです。

僕たち日本人は幼い頃からゲームやアニメでメロディー主体のBGMで育ったものですから、今作の方向性はたまりません。ファイナルファンタジーの植松伸夫さんや祖堅正慶さんのような、メロディアスでエモい旋律が沢山聞けて、超至福でした。

作曲者ルドウィグ・ゴランソンさんの事が大好きになりましたし、スペースオペラというと、どうしても荘厳なクラシックを想像しますが、民族音楽とシンセサイザーを組み合わせた攻めた楽曲の数々がたまりません。テーマソングの「パーパパパー♪」の旋律も耳馴染みよくワクワクしますし、半年間予告で聞きまくったおかげで、このジングル目当てに見に来たまであります。スタッフロールで、このテーマソングのアレンジバージョン流れるのですが、そのテイストが超お洒落!いやぁ、終始耳が幸せでした。

抜け目のない脚本とクスッと笑えるエンタメ要素

脚本も綺麗に伏線を回収したり、ご都合主義になりすぎない程度のスカッと展開で気持ちよく観れます。前半、敵拠点を2回とも力技のゴリ押しで占拠してて、ちょっとナメプすぎない?と思ってた所に、ちゃんとそのしっぺ返しを食らうという、脚本の抜け目の無さ。

シーズン1の世界進行がまだミニマムだったので、背景がセットだったり敵が生身だった事に対して、今作はだいぶ敵や街並みがCGメインだったのはちょっと実存性に欠けましたが、脚本のカタルシスがそれらをフォローしておりました。

最後シガニーさんが直接戦闘機に乗って参戦するの血の気が多くて笑ったなぁ、パイロット現役なのね!?他にも細かい笑いが散りばめられていて、全体のテイストを、抜けた明るさで統一してくれてるのも大変見易かったです。

スター・ウォーズシリーズへの参入と今後の期待

シーズン2,3を見てないのでわからないのですが、今作で物語自体はほとんど進んでなくて、本筋とか最終目的とかはどこかで語られてるのかな?グローグを種族の元に返す、帝国の復権を阻止する、みたいな目前の目標はフワッと知ってはいますが…

あまりダラダラとシーズンを重ねずに、計算された起承転結と、脚本最優先でちゃんとエンディングを迎えて欲しいです。これを門戸に、今後出る最新のスターウォーズはとりあえず一度は見てみると思います。グローグが出ない過去作を履修するほどの気力はまだ沸きませんが、少なくとも世界観や歴史への興味は持ちました。僕の様な人も多いと思いますので、今作のスターウォーズシリーズへの貢献はすごい経済効果じゃないですかね。

初見が参入しにくい、ガンダムやドラクエやファイナルファンタジーなどのコンテンツも、是非この様な入口を作って欲しいですね。

米国にしか作れない、大規模予算の贅沢な映像と、可愛い可愛いグローグの成長物語。しっかりスターウォーズシリーズに参入できました!最後まで二人を追いかけたいと思います。


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