【ドラマレビュー】「THE 8 SHOW ~極限の選択~」/資本主義の闇をサクッと楽しむ絶叫スリラー

ドラマ

【THE 8 SHOW ~極限の選択~】

  • 鑑賞日 2024/04/23
  • 公開年 2024
  • 監督 ハン・ジェリム
  • 脚本 ハン・ジェリム
  • キャスト リュ・ジュンヨル、チョン・ウヒ、パク・ジョンミン、イ・ヨルム、パク・ヘジュン、イ・ジュヨン、ムン・ジョンヒ、ペ・ソンウ
  • あらすじ 8人の男女が、8階建ての不思議な空間に閉じ込められ、時間が経つほど賞金が増え続けるゲームに参加します。しかし、ゲームの裏に隠された残酷なルールが、彼らを追い詰めていく、という物語です。
  • ジャンル 韓国ドラマ スリらー サスペンス
  • 鑑賞媒体 NETFLIX
  • お気に入り 〇(×、△、〇、◎の四段階)

感想

話題の韓国ドラマ『The 8 Show ~極限のマネーショー~』を観ました。『イカゲーム』を筆頭に、韓国の映像作品はこういったデスゲーム系の題材を描くのが本当に上手だなと、改めて圧倒されてしまいます。今作もまさに、観る者の興味を惹きつける刺激的な設定が最初から最後まで詰め込まれていました。

資本主義を風刺した刺激的なタワマン構造

今作の何よりの魅力は、現代の資本主義構造をそのまま階層住宅という目に見える形に当てはめて、一つのゲームへと落とし込んでいる点です。

しかも、人間としてどうしても切っても切れない「排泄」と「食欲」という本能的な要素が、このタワマン構造のルールに絶妙に絡み合ってきます。上の階の者が生み出したものを、下の階の者がそのまま押し付けられるように受け入れていかなければならないという設定は、まさに格差社会の縮図のようでめちゃくちゃ面白かったです。

ストレートな展開とシステムへの期待

一方で、物語の展開については『カイジ』のような緻密な頭脳戦や、ハラハラするような心理戦を期待して観始めると、少し印象が変わるかもしれません。なかなかにストレートなプロットが展開されていき、どちらかといえば頭脳よりも行動の勢いで突き進むようなごり押し展開が続いていく印象を受けました。

術中権謀やドロドロとした裏切りといった要素も比較的マイルドなので、「まあ、そうなるよね」という順当な着地を見せるのですが、これは世界中の幅広い層に向けて発信するネットフリックス作品ならではのアルアルなのかもしれません。

また、設定の面で少し欲を言えば、最上階にたまたま強烈な狂人が配置されたから場が狂ってしまったのか、それとも普通の常識人であってもあの最上階という場所に配置されたら狂人になってしまうのか、そのあたりの変化の描写をもう少し深く覗いてみたかったです。

現状の描き方だと、特定の女性が最上階に住んだ結果として泥沼になってしまった感じが強いため、たとえ誰がそこに住んだとしても人間は欲深く混沌を引き起こしてしまうという、もっと不条理で絶対的な不変の心理が設定として据えられていれば、さらに作品の深みが増したのではないかと感じています。

絶叫マシーンのような速度感を駆け抜けて

今作は『イカゲーム』ほど各キャラクターに対してウェットな過去や背景が用意されているわけではないので、良くも悪くもサクッと一気に見進められるのが大きな強みとなっています。鑑賞後に心がズーンと沈み込むような重さはなく、まるで遊園地の絶叫マシーンに乗っているかのような、なかなかの速度感で最後まで楽しむことができました。

まさに僕の中で「記憶には残らないけれど、その時間は確かに楽しかったシリーズ」の一作であり、非常にエンタメとして満足度の高い時間を過ごすことができました。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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